2023年06月04日(日) 加藤貞子写真展「自然に惹かれて」–九十路(ここのそじ)の眼差し–@伊勢和紙ギャラリー (徒歩)
伊勢和紙ギャラリーでは、加藤貞子写真展「自然に惹かれて」–九十路(ここのそじ)の眼差しが、昨日より開始された。
メイン・ギャラリーには、次の案内文が掲げられている。
加藤貞子写真展「自然に惹かれて」
–九十路(ここのそじ)の眼差し–伊勢和紙ギャラリーでは、2005年5月開設以来、伊勢和紙による画像表現を深く愛する皆様の作品をお迎えして年間3回ほどのペースで展覧会を催してまいりました。このたびは 加藤貞子写真展「自然に惹かれて」–九十路(ここのそじ)の眼差し– を開催いたします。
「野山を歩くのが好きで、結婚を機に夫の趣味であった写真撮影をはじめました。59歳のとき、名古屋で開催されていた風景写真のグループ展と出会い、大きく気持ちを動かされました。以後、写真教室に通ったり各地の指導者を訪ねたり、積極的に風景撮影に出かけるようになりました。そして90歳を越えたいまでも写真を楽しんでいます。自然の美しさが後々まで伝わればと思います。」 (作者 談)
写真は、撮影者がその場に出かけなければ撮影することはできません。加藤さんは、グループで、あるいはお一人でも、実に様々な場所に出かけ、四季折々の美しい自然を切り取ってこられました。35mmフィルムや645判のフィルムでの撮影が中心でしたが、近年はデジタルカメラでの撮影もしておられます。今回の展示にあたり、よく整理されたスライドやスリーブのポジフィルムをフィルムスキャナでデジタルデータに起こし、A4サイズにテストプリントし、ギャラリーの壁面ごとにレイアウト・セレクトを繰返し、展覧会の構成を決めていきました。
どの1カットをとっても、加藤さんの撮影時の記憶をていねいに語ってくださいます。主として額作品と菊判の吊るし作品は本多ひさ先生にプリント仕上げをお願いしました。それ以上の大判作品は当社の中北喜得が担当しました。すべての作品仕上げに、加藤さんは必ず立会ってくださって、情景・感動・表現の狙いなど事細かに教えてくださいました。そうやってできあがった作品からは、撮影の現場での加藤さんの探究心に満ちた眼差しを感じ取っていただけると思います。会場で自然の美しさのなかに身を委ね、静かなひとときをお過ごしください。加藤さんは、各地の写真コンテストなどでたくさんの入賞経歴があり、伊勢和紙プリントの会にも早くから参加されました。同じく伊勢和紙プリントの会の会員でもある近藤健治さんは、そうした加藤さんの活動をずっと見てこられて、今回の展覧会を発案し、セレクトの段階から作品仕上げまで終始惜しみなくサポートを続けてくださいました。この場で近藤さんに深くお礼を申し上げます。
全47点の作品を十数種類の伊勢和紙を表現意図に応じて使い分けプリント仕上げしました。新たに試作している「白銀」も登場します。この和紙は伊勢和紙の中では白色度が高く鮮鋭度も高い、今までになかった特性をねらって開発を続けてきました。
今回も、伊勢和紙ギャラリーならではの展示として、窓辺に飾る作品は2枚の薄手和紙それぞれに印刷して重ねて展示しています。この手法は時々刻々と変わる光の陰影をバランス良く受け止め、表情ゆたかに描写します。
展示方法としては、今回は新たに3種類のヒノキ額を制作しました。従来の伊勢和紙ギャラリーオリジナル額は400mmや550mmの正方形でしたが、大全紙(550×720mm)、全倍(720×970mm)・全四倍(970×1365mm)を揃えることで、今後も展示のバリエーションにお応えして参ります。◎作者は6月3日(土)・4日(日)・17日(土)・24日(土)・7月1日(土)・2日(日)に在廊しています。
同時開催として、伊勢和紙館では 空伯 作品展 を開催しています。
空伯氏は岩手県在住の詩人で、ご自身の絵を伊勢和紙にプリントしメッセージを添えて展示しました。併せてご高覧ください。
大豐和紙工業株式会社 代表取締役 中北 喜亮
九十路(ここのそじ) とは聞き慣れない言葉だが、今回の写真展を的確に表現している。
作者である加藤貞子さんは90歳を越えたいまでも撮影だけでなく、デジタル写真のためにパソコンの使い方を勉強するなど、前向きに活動されているそうだ。
風景写真の展示だろうと思っていたが
一般的な風景だけでなく、このようなイメージ写真のような作品も混在されている。
展示に変化が生まれ、それぞれが相乗効果に感じた。
展示のために
組み合わせを検討された試作版も展示され、手に取って確認することもできた。
エントランスも階段も、サブギャラリーも
メインギャラリーも見応えのある作品が並んでいる。
なかでも
私のお気に入りは、こちらの作品。
在廊されていた加藤さんに伺ったところ
櫛田川で重なる岩が曲がっている様子が魚に見えたので撮影した。
とのことだ。