2022年10月29日(土) 脇田正 回顧写真展「ヨーロッパアルプスに魅せられて」@ぎゃらりー久(玉城町) (車、徒歩)
写真展のはしご、ふたつ目の会場はこちら。
ここは初瀬街道と熊野街道が合流する地点、
その近く、熊野街道沿いにあるギャラリー久である。
30日までの会期で、脇田正 回顧写真展「ヨーロッパアルプスに魅せられて」が開催されている。
入口で受付を済ませると次の説明文が出迎えてくれた。
ご あ い さ つ 本日は、脇田正の回顧写真展にご来場頂き、ありがとうございます。 夫 正が亡くなり、三年半となります。 たくさんの方々に支えていただいた、71年の生涯でした。 若い頃から写真撮影を趣味とし、対象は風景・花・人物から家族へと広がり、五十歳ごろ から晩年までヨーロッパアルプスに魅せられて、撮り続けてまいりました。 世界に誇る4千メートル級の名峰の撮影は勿論のこと、トレッキングも楽しみ、毎年訪れ る顔馴染みの山小屋主人との交流や、山仲間との出会いなど、沢山の歓びがありました。 また、自ら歩いて見つけた朝焼けや夕日に染まる山岳風景の撮影ポイントのガイドもさせ ていただきました。そんな絶景を楽しんでいただく写真展を数多く開きました。 今回の回顧写真展は、撮影旅行や近郊の低山ハイキングを一緒に楽しんだお仲間である 「スイスロマンクラブ」の皆様が開催してくださいました。 展示作品はこれまで約20年間の写真展でそれぞれご覧いただいてきた作品になります。 展覧会当時に想いを馳せていただければこの上ない喜びでございます。 お気に入りの写真をお傍に置いていただければと、今回展示する作品をチャリティ販売 させていただきます。 頂戴しましたご厚志は夫が闘病でお世話になった医療機関様への寄付にあてさせて頂き ます。 最後に。この回顧展開催にあたり、「スイスロマンクラブ」の皆様、ぎゃらりー久様のお 力添えのもと、実現できましたこと誠に感謝申し上げます。 令和4年10月吉日 脇田 裕子
知人から本写真展の案内をいただき、私は脇田正さんに関する予備知識なしで訪れたのだった。
なんとも雄大で絶景の数々、一枚一枚の写真に魅了されながら・・・
さきの「ごあいさつ」にもあった通り、作品はチャリティ販売されていてほとんどが売約済となっていた。
私は、こちらの写真がお気に入りになったのだが、当然のように売約済だった。
素晴らしい写真に圧倒されながら、こちらへ戻ってくると
ここには多数の小さな手帳が詰め込まれていた。もとの厚さの何倍にも膨れ上がっているものもある。
これは脇田さんが記した旅の手帳だった。スケジュールに始まり、食事のメモや費用(項目、金額)、見どころ、作品の構想など各旅に関わるあらゆる情報が書き込まれていた。こんな旅手帳が十数冊もあるのだ。
さらに、別のファイルには「スイスロマンクラブ」の参加者に配付された旅の資料も紹介されていた。独自の経験からまとめた宿泊先のランク付一覧表や案内地図(解説付きのルートマップ)など・・
こんな手帳や資料を眺めているとお会いしたことがない脇田さんが目の前でガイドして下さっている気になってしまう。
また、各写真には脇田さんの直筆によるテキストが添えられていた。
奥の展示室には、こちらが掲示されていた。
お礼のことば 本日はご多忙の中、また遠路よりお越し下さった方々、ご来場いた だき心よりお礼申し上げます。 皆様には脇田正の愛したヨーロッパアルプスの世界をご堪能いた だけたでしょうか。 ガイドブックや写真集を出版したり、スイスで写真展を開いたり とやりたいことがまだまだあったようですが、こうして回顧展で再 びご覧いただけるとは思ってもみなかったことでしょう。 皆様にはおひとりお一人にお礼のお便りを差し上げるのが本来な のですが、これをもってお礼の言葉に代えさせていただきます。 ありがとうございました。 お気を付けてお帰りください。 脇田 裕子
「手帳や資料をじっくりと拝見したいものだ。」と思いながら、閉館時刻の間際に訪れたことを悔いた。