2023年冬企画展 寺本美穂写真展「たゆむまち」@gallery0369(津市美里町三郷)

2023年12月02日(土) 2023年冬企画展 寺本美穂写真展「たゆむまち」@gallery0369(津市美里町三郷) (車、徒歩)

gallery0369(三重県津市美里町三郷369番地)では、次の写真展が開催されている。

展示情報 タイトル:寺本美穂写真展 たゆむまち
開催日時:2023年12月1日(金)~3日(日)、12月8日(金)~10日(日)計6日間の開催になります。(金土日のみの開催となりますので来場の際はご注意下さい)
開催時間:13時〜18時
入場:無料
駐車場:会期中は Théâtre de Bellevilleの駐車場 (三重県津市美里町三郷2104)をご利用ください。
作者在廊:写真展開催時全日在廊予定
展示作品: インクジェットカラープリント作品

 

本ギャラリーで開催される寺本美穂さんの写真展は今回で3回目。

【参考】

 

久しぶりに古民家Hibicoreの前を通り過ぎるとギャラリーへ下った。

古民家Hibicore

古民家Hibicore

 

こちらがgallery0369の入口。午後1時から開場だったので、それに合わせて・・・

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

事前にWEBで確認した写真展の紹介テキストには、次の一文があった。

寺本美穂 3回目のたゆむまちに添えて
「森にはいる」

今年も暑い夏だった。
家にいても、仕事に行っても。森の中でもやっぱり暑い。
緑は目に涼しい感じもするが、住宅街のすぐ近くの森では
そう違いは感じられない。ちょっと蚊が多いくらい。
写真を撮ろうと思って来てみた。

(後略)

【引用元】 2023年冬企画展寺本美穂写真展「たゆむまち」 | gallery0369

 

この文章を読んだ私は、ついに「たゆむまち」は「まちを出るのか」と勘違いしてしまった。

そのため、森の写真を期待してギャラリーへ足を踏み入れた私は「???」。森の写真はまったくないではないか?

実はその理由は、さきほどのテキストを最後まで読み終えればわかったはずだったのだ。

(続き)

Tシャツは汗びっしょりで水筒の水を飲んでいると
目の前にお馴染みのカーブミラーが。
おかえり
と笑いながら迎えてくれたような気がして心の底からほっとした。

この森の中には(たゆむまち)はなかったみたいです。

2023.10.5
寺本美穂

 

森の中で植物に惹かれながらも恐怖に似た感情を覚えた彼女には「たゆむまち」に匹敵する写真など撮れるはずがなかったのだ。そんな恐怖の森から逃れてホッとさせてくれたのが、DMに採用されている馴染みのカーブミラーだった。これこそが、まさしく彼女の「たゆむまち」。

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

キャプションのない多数の作品のなかで、私が特に気になった作品は2点で、このカーブミラーがもっとも気になる作品だった。

勝手に名前をつけると、この作品は「マジック・カーブミラー」。カーブミラーの影に注目すると白いメッシュのフェンスは一部が透明になって見える。影がフェンスを無くし(たように錯覚を起こさせ)、鮮明な像を見せてくれる。まさに、マジックである。

そして、もう一枚はギャラリートークでも話題となった小公園の写真。私は「日陰者パンダ」と名付けた。遊具のパンダは日陰にあり、主役はパンダの背後にある光である。なかなかこんな写真を撮る人はいないだろう。

このように、ほかの作品も見れば見るほど気になるモノが豊富に散りばめられている。

これらの写真はまさに日常、身近である。どうしたらこんなにうまく料理できるのか?

「たゆむまち」は、まさに寺本美穂ワールドなのだ。

おもわず「たゆむまちのひをー、ひとり見ていた・・・」と心のなかで口ずさんでいる自分がいた。


 

午後2時からギャラリートークが開催されたので、そちらも楽しんだ。

寺本美穂さんの対談相手は、本ギャラリーのオーナーで、写真好学研究所の所長でもある写真家 松原豊さん。お二人は慣れ親しんだ関係である。

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

やわらかい雰囲気の寺本さんだが、それとは対照的に貫禄も感じられた。

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

こちらが「日陰者パンダ」についてのシーン。

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

お二人の関係性は、この笑顔に現れている。

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

このギャラリートークについては、ギャラリーのホームページ(gallery0369)で紹介されるだろうが、気になったことだけメモしておこう。

一回目の展示では、このようなギャラリーで同じ額で整然とした展示ができウキウキしていた。二回目は、頭が混乱し迷いながら。そして、今回は、観た人にウキウキと楽しさを感じでもらえるように。そのため、自分のなかのゆるさを出したく、作品をくっつけたり離したりリズムをが出るように自分自身でレイアウトを組んだ。また、落ちこぼれ写真を片隅に貼り付けた。このコーナーはしゃがんで観てもらえるように・・・

と自身の変化を語っていた。ベクトルが自分から他者へと変化している。

「しゃがんで」コーナーでは、その意図の通り私はしゃがんでしまった。

その一枚がこちら。

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

寺本美穂写真展 「たゆむまち」@gallery0369

 

前日には「写真がどっしりした」との感想を受けたそうで、その理由は次の通り。

今回は、使用しているミラーレス・カメラの画像サイズに対応した「4:3」の縦横比で展示している。そのためにマットも作成した。

 

質問にもあったが、彼女は縦写真しか撮らない(横位置は気持ち悪いとのこと)ので、特にどっしり感が高まったのだろう。

 

来年の3月には、岡山市にあるGallery722での写真展が予定されている。

また、今年も亀山トリエンナーレに参加するそうだ。

【参考】

 

県展には四回も連続で展示されているなど、活躍に暇がない。

そんな彼女のパワーに刺激を受けると写真展を後にした。

gallery0369・古民家Hibicore

gallery0369・古民家Hibicore

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です