2024年04月24日(水) 摂社、末社で見かけた雁股矢と鏑矢のまとめ(第62回神宮式年遷宮にて)
神宮式年遷宮では20年に一度、両正宮(内宮、外宮)および別宮の社殿が造替される。
遷宮の諸祭儀には上棟祭(正殿の棟木を上げる祭儀)があり、屋根の上には雁股矢と鏑矢があげられる。私が式年遷宮で上棟祭を奉拝したのは伊佐奈岐宮のものだった。
棟木から延ばされた綱を引いて棟上げの所作をし、「千歳棟(せんざいとう)、万歳棟(まんざいとう)、曳曳億棟(えいえいおくとう)」のかけ声とともに屋の上で小工(こだくみ)が棟木を打ち固めた。
屋根の両脇には、雁股矢と鏑矢の一部が見えた。神宮で、雁股矢と鏑矢を目にしたのはこれが初めてだっただろう。
伊佐奈岐宮および伊佐奈弥宮(2014年03月15日)
第62回神宮式年遷宮 伊佐奈岐宮および伊佐奈弥宮の上棟祭 動画あり 2014年03月15日
その後、偶然にも皇大神宮の摂社である園相神社が修繕されたことを知り、結局は摂社、末社の造替や修繕を追いかけることになってしまった。
神宮の広報誌「瑞垣」で過去の実績を調べたり
せんぐう館を訪れたり、ホームページで遷座予定を調べたり
実際には足繁く現地を訪れた。その結果がこちら。
【参考】
御船神社が遷座を終えると、第62回神宮式年遷宮に関連した摂社、末社の造替、修繕も残すところ2社(度会国御神社と葭原神社)だけとなる。
なお、造替は御船神社が最後であり、第62回神宮式年遷宮で雁股矢と鏑矢を目にする機会はなくなった。特に、摂社および末社では造替の20年後は修繕、次の20年後に造替となるため、造替は40年に一度である。もちろん上棟祭も40年に一度である。しかも、雁股矢と鏑矢を見ることができるのは設置された時から上棟祭当日の祭典終了時まで、2〜3日間だろう。
つまり、摂社末社で雁股矢と鏑矢を目にできるのは40年で2日ほど。とても稀有な機会である。
摂社、末社の造替、修繕を追いかけるなか、何度もそのような貴重な場面に立ち会うことができた。ここに留めておこう。
摂社末社で見かけた雁股矢と鏑矢
志等美神社・大河内神社(2015年09月14日)
新社殿の屋根に鏑矢と雁股矢、志等美神社・大河内神社(豊受大神宮摂社) 2015年09月13日
打懸神社(2015年10月08日)
新社殿の屋根に鏑矢と雁股矢、打懸神社(豊受大神宮末社) 2015年10月07日
神服織機殿神社・神服織機殿神社末社八所(2015年11月12日)
斎行日が不明だったため未体験
神麻続機殿神社・神麻続機殿神社末社八所(2015年12月09日)
斎行日が不明だったため未体験
小俣神社(2017年03月01日)
新社殿の屋根に雁股矢と鏑矢、小俣神社(豊受大神宮 摂社) 2017年02月28日
江神社(2017年05月09日)
新社殿の屋根に鏑矢と雁股矢、江神社(皇大神宮 摂社) 2017年05月09日
鴨下神社(2017年09月06日)
上棟祭の朝、新しい殿舎の屋根に鏑矢と雁股矢、鴨下神社(皇大神宮 末社) 2017年09月06日
清野井庭神社(2017年10月10日)
上棟祭に向け新しい殿舎の屋根には雁股矢と鏑矢、清野井庭神社(豊受大神宮 摂社) 2017年10月07月
小社神社(2017年11月16日)
上棟祭の朝、新しい殿舎の屋根に鏑矢と雁股矢、小社神社(皇大神宮 末社) 2017年11月16日
津布良神社(2018年05月23日)
上棟祭に向け新しい正殿の屋根には雁股矢と鏑矢、津布良神社(皇大神宮 末社) 2018年05月22日
御塩殿神社(2018年09月20日)
上棟祭の早朝、新しい正殿には鏑矢と雁股(矢)、御塩殿神社(皇大神宮 所管社) 2018年09月20日
宇治山田神社(2018年11月14日)
上棟祭の朝、新しい正殿の屋根に雁股矢と鏑矢、宇治山田神社(皇大神宮 摂社) 2018年11月14日
朝熊神社(2019年01月23日)
上棟祭の朝、新しい正殿の屋根には雁股矢と鏑矢、朝熊神社(皇大神宮 摂社) 2019年01月23日
朝熊御前神社(2019年03月06日)
入院中だったため未体験
雁股(矢)と鏑矢を期待して久しぶりに訪れた朝熊御前神社(皇大神宮 摂社)だったが・・・ 2019年03月12日
粟皇子神社(2019年05月22日)
上棟祭の朝、新しい殿舎の屋根には雁股(矢)と鏑矢、粟皇子神社(皇大神宮 摂社) 2019年05月22日
高河原神社(2020年03月11日)
上棟祭の朝、新しい社殿の屋根には雁股矢と鏑矢、高河原神社(豊受大神宮 摂社) 2020年03月11日
志宝屋神社(2020年05月27日)
上棟祭の朝、新しい社殿の屋根には雁股(矢)と鏑矢、志宝屋神社(豊受大神宮 末社) 2020年05月27日
神前神社・許母利神社・荒前神社(2021年05月26日)
上棟祭の朝、新しい殿舎の屋根に雁股矢と鏑矢、神前神社(皇大神宮 摂社) 2021年05月26日
奈良波良神社(2022年03月01日)
上棟祭の朝、奈良波良神社(皇大神宮 摂社) 2022年03月01日
赤崎神社(2022年06月01日)
朔日まいりは上棟祭が斎行される(た)赤崎神社(豊受大神宮 末社) 2022年06月01日
坂手国生神社(2022年12月07日)
上棟祭の朝、坂手国生神社(皇大神宮 摂社) 2022年12月07日
多岐原神社(2023年07月12日)
上棟祭の朝、多岐原神社(皇大神宮 摂社) 2023年07月12日
御船神社(2024年04月24日)
上棟祭の朝、新しい社殿の屋根には雁股矢と鏑矢、御船神社(皇大神宮 摂社) 2024年04月24日