2022年07月31日(日) 御塩浜での採鹹作業(伊勢市二見町西) (車、徒歩)
午後1時半頃、御塩浜を訪れたところ
朝にひろげられた砂はすでに沼井に集められていた。それは沼井に敷かれたあいばしり(麦藁で作られ、海水を注いだ際に砂がえぐられないようにする)が物語っていた。さらに、沼井の脇には潮だこが置かれ、奉仕者は長い柄杓を持っていた。朝に汲んでおいた藻垂れ(沼井に残された鹹水)が沼井に戻されたと思われる。
この後、採鹹作業が続くと思ったが、しばしの休憩となっていた。
鹹水のもととなる海水が流れる五十鈴川(汽水域)越しに遠くにそびえる雲をながめていた。
10分ほど経過すると、御塩浜での作業が再開された。
北側の浜溝から潮だこに海水が汲まれると
沼井へと運ばれ
注がれる(潮をおそう)。
御塩浜で作業をはじめ、御塩が奉製される流れは次の通りである。
【参考】 神宮の御塩づくりの流れ はこの記事にリンクあり
- 御塩焼固(御塩殿)2017年03月 2017年03月04日
知人から「御塩の動画がYouTubeにあがっている」ことを聞き、視聴すると 1984年に撮影されたものであるが、採鹹作業にはじまり、御塩焼所での荒塩焼き、御塩殿での御塩焼固までがわかりやすいナレーション付きで16分ほどにまとめられている。
奉仕する方々は世代代わりしているが、作業の内容は継承されている。
また、「よくもここまで入れたな!」と当時のおおらかさも感じられる。
ここに紹介しておこう。
その後、沼井では砂の表面についた塩が注がれた海水に溶けて、沼井の下に設置された桝へ集まる。
しばらくすると、沼井の桝に集まった鹹水の塩分濃度が計られる。
採鹹作業の開始が判断されると沼井からあいばしりが取り外される。
続いて、採鹹作業が・・・。沼井の桝から鹹水が柄杓で汲み上げられると、潮だこへ移される。
潮だこが鹹水で満たされると
小屋の前に並べられた樽の前へと運ばれる。
樽の前へ運ばれた鹹水は、樽の中へと納められる。
すべての鹹水を採り終えて、樽に納めれば一日の作業が終了となる。
ところが、今日は続きがあった。奉仕者は、浜に砂をひろげるために使われる浜ぐわを手にして、沼井まで・・・
沼井にたどり着くと、いきなり沼井の周囲に盛られた砂を崩しはじめた。
4ヶ所ある沼井で、すべてが崩され均された。
さらに、沼井の口に蓋が掛けられた。
これは、本日で採鹹作業が終了することを意味するそうだ。