2022年11月20日(日) 鼻谷幸太郎 モノクロ写真展「あんた、また来たんか?ー昭和の漁民を訪ねて」@海の博物館 ギャラリー (車、徒歩)
この案内はがきは、いつ手にしたのだっただろうか?
「あんた、また来たんか?」のあまりにもキャッチーなタイトルに惹かれていた。しかも、モノクロ写真で、記録的要素が強うそうだ。
来週までの会期なので見逃さないよう、小雨が降る朝、海の博物館を訪れた。
展示A棟から階段を進むとここにも案内があった。
本写真展の会場はこちらのギャラリーである。
「あんた、また来たんか?」 自分自身に声を掛けられた錯覚に陥る。
いままでに何度か訪れたことがあり見慣れたギャラリーだからだろうか、「また、来ました。」と中へ入った。
右側壁面の中央には、先の案内に採用されていた写真とともに
次の説明文が掲示されていた。
写真展「あんた、また来たんか? ー昭和の漁民を訪ねてー」 開催にあたって 津市在住のアマチュア写真家鼻谷幸太郎さんは、昭和40年代、愛用の カメラに、こだわりのモノクロフィルムを装填して、津市の白塚、松阪の漁 師町、鳥羽志摩の漁村へと車を走らせました。そこで出会った、浜辺・漁 村の風景、漁の準備をしている漁民、漁から帰った人びと、海女たちの姿、 出会った子どもたちなどをフィルムにおさめています。 漁村の人たちは「あんた、また来たんか?」と言いながら、お葬式やご 飯を食べているところも撮らせてくれたといいます。 鼻谷さんが当時撮り溜めた膨大なフィルムは、自宅にしまい込んだまま になっていましたが、昨年、何十年ぶりかにフィルムを取り出し、データ化 を始めました。改めて見ると、最近では見ることのできなくなった漁民たち の仕事ぶりや使われなくなった漁具類、失われた浜の風景が、生き生きと 写し出されていました。 今回の写真展は、鼻谷さんが写真資料として鳥羽市立海の博物館と三 重大学伊勢志摩サテライト海女研究センターに提供した約1200点の中 93点を選び、3つのテーマ3期に分けて展示します。 主催:鳥羽市立海の博物館 特別協力:三重大学伊勢志摩サテライト海女研究センター 「浜しごと」 9月3日(土)〜 9月29日(木) 「浜の子供たち」 10月1日(土)〜10月30日(日) 「浜寸景」 11月1日(火)〜11月27日(日)2023年1月9日【追記】 会期が延長されています。( 〜 2023年1月9日 ) ・写真展「あんた、また来たんか?ー昭和の漁民を訪ねて」
展示されている写真を拝見すると、昭和40年前半の漁村(今回の展示では松阪市漁師町や志摩市波切、鳥羽市神島)の風景や生活、仕事の様子が生き生きと切り撮られている。記録性の高い写真ばかりだ。
なお、鼻谷さんのプロフィールには1959年から山岳写真を取り続けたとある。しかし、なぜ漁村に注目しこれらの写真を撮り溜めたのか、その理由は明らかにされていない。なぜにこれらの写真を撮り始めることになったのか理由をうかがってみたいものだ。
研究資料として大きな価値のある写真たちが、フィルムのままで見向きもされずに捨てられなくて良かった。
過去の写真は、さまざまな観点で活用できます。
フィルムをお持ちの方はデジタル化して、ネットで公開していただければ、活用の道が開けるかも知れません。ぜひともよろしくお願いします。
こちらは宣伝になりますが、私も数ページだけ執筆している書籍です。
【参考】