2023年10月22日(日) 御師関係書画の展示解説-講師 伊勢市文化政策課 学芸員 山本翔麻@旧御師丸岡宗大夫邸 (徒歩)
以前にも紹介したように、旧御師丸岡宗大夫邱にて開催される伊勢学サロン月間(10月)の
【参考】
最終回である「御師関係書画の展示解説」が、本日実施された。
講師は伊勢市情報戦略局 文化政策課の学芸員 山本翔麻さんだった。
初めて、山本翔麻さんのお話を伺ったのはボランティアとして参加している「和具屋所蔵資料悉皆調査」について報告だった。
【参考】
- 御師文化再生フォーラム@伊勢河崎商人館 角吾座 2023年03月12日
また、中村左洲の作品展などを担当したと聞く。
【参考】
- 中村左洲生誕150周年記念展@賓日館(伊勢市二見町) 2023年08月13日
伊勢の歴史文化を守り伝えてゆける若手の学芸員なので大切な存在だ。
そんな山本さんによる解説が聞けるので、今回のサロンにも参加した。
この展示解説は、伊勢市が所蔵する掛軸を丸岡邸に持ち込んで解説するもので、今回で3回目となるとのこと。
今回は、江戸末期から明治にかけての画家 水溜米室(みずためべいしつ)について、一部では榎倉杉斎(えのきぐらさんさい)の画が紹介された。
各人の略歴と伊勢(宇治・山田)画人系譜での位置付けが紹介された後
掛軸の特徴について解説があり、その後は各自間近で拝見できた。
この世界にも疎い私でも、本物を前にすると興味が湧くものだ。
細部の繊細な筆使い、漁師の顔に微妙な赤い色を見つけた。
同じ米室の作品でも作風が別人のような点も面白い。
おもむろに軸の下に置かれていた扇面。魅入ってしまい、カメラをぶつけてしまった。(ゴメンナサイ)
さらに、中央の軸が掛け替えられた。
篆刻に注目するとそれぞれの作品で異なる印が押されていた。
こちらの左側が最後の作品。まさに山水画だ。
点で樹木を表現しているとのこと。
美術には造形のない私でも間近に本物を目にすれば、他の作品も観たくなる。
伊勢市には書を含めると1000点以上を所蔵しているそうなので、今後もこのような機会が期待したい。
折角の機会だったので、疑問に思っていたことを山本さんに尋ねてみた。
まずは、閉館となった伊勢市郷土資料資料館の収蔵物が保管されている松下倉庫の件。
【参考】
- 伊勢市教育委員会 松下倉庫(旧国際リゾート短期大学校)の電気は止められた? 2020年07月23日
電気も止めたのかと心配していたが、こちらは膨大な収蔵スペースがありトイレは仮設であるものの、電気水道などのインフラは完備しているので、収蔵物に心配はないそうだ。(とりあえず、安心した。)
もう一点は新しい郷土資料館の件。
【参考】
- 「伊勢市立郷土資料館」再開の意向は喜ばしくもあり不安でもあり・・・ 2018年01月17日
新しい郷土資料館の話はあったが、あれから5年ほどが経過していたので、不安を感じていた。
前向きに計画が進められているようである。(この点でも安心した。)
山本翔麻さんのよう思いの強い若い人材が、伊勢市の歴史や文化分野で活躍されることを期待したいし、応援もしたい。