2024年04月07日(日) クリエイターズ協会 伊勢和紙作品展「ワシらの和紙展」二〇二四@伊勢和紙ギャラリー (徒歩)
伊勢和紙ギャラリーでは、昨日より次の作品展が開催されている。
クリエイターズ協会 伊勢和紙作品展「ワシらの和紙展」二〇二四
会期 ◎ 2024年4月6日(土) – 4月21日(日) ◎ 9:30 – 16:30
会場 ◎ 伊勢和紙ギャラリー (大豐和紙工業株式会社 内) ◎ 516-0079 三重県 伊勢市 大世古一丁目 10-30 ◎ (0596)28-2359 ◎ https://isewashi.co.jp/
経路 ◎ JR・近鉄 伊勢市駅より徒歩12分 ◎ 伊勢自動車道 伊勢西ICより10分「咲き乱れるか、異色のクリエイター五人の花弁。」
有田昌人 ■フォトグラファー
川合勝士 ■フォトグラファー
榊原広保 ■写真愛好家
花井利彦 ■グラフィックデザイナー
増田耕一 ■サインクリエイター
クリエイターによる作品展、立体造形やインスタレーションなど今までに体験したことがない伊勢和紙の世界を期待して訪れた。
ポスターは鮮やかなグラフィックで、期待感が高まる。
エントランスの案内では、クリエイターズ協会について
次のように紹介されていた。
クリエイターズ協会(Creators Society・略称CS)は、1984年12月10日に伊勢市で設立された三重県初のクリエイターの民間団体です。
南勢三重を中心に、デザイナー、フォトグラファー、イラストレーター、プランナー等のクリエイター達が集まり、あらゆる空間、文化、教育等を楽しく創造的に発展させ、クリエイターの環境改善も目的としています。例会を月に1度開き、イベントやセミナー、旅行等の企画立案から各自の近況報告まで、会員同士の交流を深めています。
(後略)
隣のHistory of us を見るとさまざまな活動が展開されている。
私は、クリエイターズ協会について初めて知った。こんなに積極的に活動されていたのに・・・
知らないことはまだまだ多い。
こちらは、色違いのポスター。
エントランスから階段に掛けては有田昌人さんの作品が。
2階のサブギャラリーには榊原広保さんの作品。
いつもとは異なる入口のメインギャラリーでは、3名。
こちらは川合勝士さんの作品。
こちらは増田耕一 さんの作品。
最後にこちらは、クリエーターズ協会を創設した花井利彦さんの作品。
有田昌人さんの「灼熱海岸」は好きな作品である。榊原広保さんの作品は今までにこちらで観たことがないテーマで、異なる額装も新鮮だった。川合勝士さんの「葉原トンネル1」は臨場感があり、急勾配な線路の先へ吸い込まれそうに感覚になってしまった。増田耕一さんの作品は唯一、立体造形だった。花井利彦さんの「私は誰ですか」はインパクトが強く「Bullshit!」の鮮やかな色使いとゴシック文字が和紙との対比で印象出来だった。
今回の展示は、今まで観覧した作品とは異なりさまざまなチャレンジがあったと思われる。しかし、立体造形やインスタレーションを期待していた私には少し物足りなさを感じてしまった。
私は、伊勢和紙での作品作りにじっくりと取り組み、その成果を作品展として発表したのだろうと思っていたが、在廊していた川合勝士さんに伺ったところ、今回の作品点にあたり初めて伊勢和紙に取り組んだとのこと。
クリエイターにとって伊勢和紙はもっともっと表現の可能性を広げてくれるものだと思う。これを機会に和紙の特性や表現力を活かした作品展「こんなもんじゃない伊勢和紙の世界」を期待したい。
例えば、増田耕一さんの作品は「アナーキーな偉大なる変人四人衆に捧げるオマージュ」なのに、伊勢和紙はつんとお澄まし状態に思えた。伊勢和紙は擬革紙に使われるほど柔軟かつ強靭であるので、もっとアナーキーに荒々しく扱うこともできただろう。和紙は提灯などにも利用されるので、川合勝士さんの隧道を立体造形にしてみるのも面白い。
また、榊原広保さんはもっと強烈に表現したかったのではないか。神宮の御用紙として使用される伊勢和紙への遠慮があったのではないか。など勝手に想像してしまった。
初めて伊勢和紙に取り組んだクリエーターの方々には戸惑いや試行錯誤があったことだろう。
その意味では、DMにもあった
「咲き乱れるか、異色のクリエーター五人の花弁。」
に対するアンサーとして
「咲き乱れた、異色のクリエーター五人の花弁。」
だった。
今後も伊勢和紙を使用した作品作りに取り組み、さらに伊勢和紙の可能性を広げていただきたい。
ぜひとも自分の目で作品たちと対峙してみては!
【伊勢和紙ギャラリーにて体感した企画展ほか】
- 伊勢和紙に映す情景 近藤健治・林隆久 写真展@伊勢和紙ギャラリー 2024年03月16日
- スマホ戦隊ワシレンジャーによるリアルスタグラム〜スマホからアートへ〜@伊勢和紙館 2023年10月21日
- 第八回 伊勢和紙プリントの会・作品展@伊勢和紙ギャラリー 2023年10月21日
- 岩手の詩人・絵描き 空伯作品展@伊勢和紙館 2023年06月04日
- 加藤貞子写真展「自然に惹かれて」–九十路(ここのそじ)の眼差し–@伊勢和紙ギャラリー 2023年06月04日
- 伊勢和紙による 三輪 薫「花恋-Ⅱ」とフォトワークショップ「風」写真展@伊勢和紙ギャラリー 2023年02月26日
- 大形直樹写真展「磯部の御神田(おみた)」@伊勢和紙ギャラリー 2022年10月10日
- 東方篆刻研究会による篆刻体験会@伊勢和紙館(伊勢市大世古) 2022年06月25日
- 高潤生 個展「ひまわり」印風画・書・かな篆刻@伊勢和紙ギャラリー 2022年06月05日
- 森武史写真展 熊野修験@伊勢和紙ギャラリー 2022年03月12日
- 第7回伊勢和紙プリントの会作品展@伊勢和紙ギャラリー 2021年10月16日
- 伊勢和紙による 三輪薫 写真展「こころの和いろ-Ⅱ」(伊勢和紙ギャラリー) 2020年03月01日
- 第六回 伊勢和紙プリントの会 作品展@伊勢和紙ギャラリー 2019年09月28日
- 高潤生 個展「聖地伊勢」印風文字画・かな篆刻・書(伊勢和紙ギャラリー) 2019年06月01日
- 三輪薫写真展 Rock-Ⅱとワークショップ「風」写真展(伊勢和紙ギャラリー) 2019年02月16日
- 前田有歩 写真展「The Air」(伊勢和紙ギャラリー) 2018年10月13日
- 浜中悠樹写真展「UTSUROI」-うつろい-(伊勢和紙ギャラリー) 2018年09月16日
- 青野恭典写真展 風のことづて(伊勢和紙ギャラリー) 2018年05月19日
- The Land and the People ペルナッカ スダカラン作品展(伊勢和紙ギャラリー)#2 2018年03月31日
- The Land and the People ペルナッカ スダカラン作品展ほか(伊勢和紙ギャラリー) 2018年03月10日
- 伊勢和紙による 三輪 薫 写真展「こころの和いろ」@伊勢和紙ギャラリー 2017年09月18日
- 高潤生 個展「平安是福」印風画・かな篆刻・書(伊勢和紙ギャラリー) 2017年05月27日
- 参宮ブランド擬革紙の会による『擬革紙の復興 和紙にあそぶ』(伊勢和紙ギャラリー) 2017年01月29日
- 第五回 伊勢和紙プリントの会作品展とギャラリートーク(伊勢和紙ギャラリー) 2016年10月08日
- 金森正巳作品展再訪、大豊和紙工業の三輪神社参拝 2016年05月28日
- 涸沢・上高地 伊勢和紙に描く 金森正巳作品展(伊勢和紙ギャラリー) 2016年05月21日
- 伊勢和紙による三輪薫「仏蘭西・巴里」とフォトワークショップ「風」写真展(伊勢和紙ギャラリー) 2016年02月27日
- 高潤生 個展「養怡(ようい)- なごむ心を養う -」(伊勢和紙ギャラリー) 2015年06月13日
- 有田善男写真展 一孔之彩(伊勢和紙ギャラリー) 2015年04月18日
- 戸川覚写真展「阿仁根子」(伊勢和紙ギャラリー) 2015年03月14日
- 「やさしさ」 伊勢和紙による写真と書の展示 (写真:久保圭一、書:久保丈二)の回想 2014年08月10日
- 伊勢和紙による 篠原 龍 写真展「霊場熊野」(伊勢和紙ギャラリー) 2014年05月17日
- 『四重奏 艸・想・爽・創』 四人展(伊勢和紙ギャラリー) 2014年03月29日
- 伊勢和紙館、伊勢和紙ギャラリー(大豊和紙工業) 2011年10月29日
など・・・