2025年10月19日(日) 清川の流れに沿って勢田川までのぶらり (徒歩)
本日は清川を通しで歩いてみた。
清川について改めて調べると、宇治山田市史(上)には
清(きよ)川
小太郎池より南するものは二俣町字田原(たうら)の小溝より浦口町字山名を経、筋向橋をくぐり、浦の橋・高柳・新道・北町を過ぎ、山田停車場の北を通り一本木に至りて勢田川に入る。昔の流域も大凡この通りであるが、川筋の所々に瀦(ちょ)留して淵となったものに山幡淵[上社・後の溝堀か]、蝉ケ淵[田原と山名との界]、亀ケ淵[筋向橋の西]などの名が残っている。
と記され、
参宮の今昔 大西源一 著(神宮教養叢書 ; 第3集) には
六 宮川の河道の変遷として
なお此の他に、小太郎池を水源とする、別の一流があり、辻久留町の南方から天神ヶ岡の北麓を東へ、山名を経、筋向橋の下を通り、裏の橋の南側を今の社附近に出で、新道街の南裏を東流、外宮の別宮月夜見宮の北側を通って、鉄道線路の下を横断し、国鉄山田駅構内の北側に沿い、吹上町一本木を経、清浄坊橋(正善坊橋)の傍らで勢田川に合する。これも、古い宮川の流れの一つであると思われる。
と記されている。
つまり、かつては小太郎池を源流としていた。ところが、現在は以前にも紹介した通り、勢田川を浄化するため、辻久留2丁目にある勢田川浄化揚水機場で宮川から取水すると、豊川とともに清川へも多量の水が送られている。

導水路平面図(宮川水系の特徴と課題 – 国土交通省 より抜粋)
勢田川浄化揚水機場からの流れを追ってみようかとも思ったが、今回はかつての小太郎池ルートを辿ってみた。
度会橋付近から現地へ向かうため、トイレに立ち寄ったところ、その建物の壁面には度会ノ河内明細図」の一部が示され、そこには小太郎池も描かれていた。
小太郎池については、以前に小柳川の源流として追いかけたことがあったので、そのことを思い返し
【参考】
- 今はなき小太郎池からの流れであり暗渠となっている小柳川の後追い 2024年08月25日
小河橋から
跡地へと向かった。それはこの先、
小川公園の向かい側あたりだ。
本日は、三重「ちずぶらり」シリーズの伊勢ぶらりに掲載されている【山田衢々之図】も参考にした。スマホで古地図とGoogleMapを切り替えながら現在位置を確認できるすぐれものだ。
【参考】
- 【山田衢々之図】江戸時代末期 | 伊勢ぶらり
ただし、【山田衢々之図】には小太郎池から清川が流れ出るルートは描かれていない。
そのため、宇治山田市に記されている山幡淵[上社・後の溝堀か]を確認するため、小川公園を後にすると上社の社叢を目指した。横断歩道を渡り、先へ進むと
ここを左折して、その先を右折すると
近づいてきた。
こちらは上社の北側。駐車場となっている右側の広場は、かつて溝堀だった。つまり、ここが宇治山田市の言う山幡淵ではないだろうか?
偶然にも溝堀が駐車場に変わる時期の記録がある。
【参考】
- お堀が駐車場に変わる上社(伊勢市辻久留) 2015年08月08日
- 御造替された?志等美神社・大河内神社(共に豊受大神宮摂社)と上社の駐車場 2015年08月23日
ここが山幡淵だとすると小太郎池からここまではいずれからのルートで流れていた。さらにここからは
東へ向かうとこの場所にたどり着く。
ここは清川が暗渠から開渠となる地点。
勢田川浄化揚水機場から豊川へと流れる水が、途中で分流してこちらへ北上していると思われる。
南方向へ進み、こちらのマンホール蓋に近づくと激しい水流の音が聞こえていた。
このようなマンホールを追いかければ勢田川浄化揚水機場へたどり着けるだろうとも考えたが、本日は勢田川を目指す当初の目的を優先した。
このマンホール付近から東方向へ進むと
右方向に玄忠寺の寺号標が望める地点へたどり着く。ここでさきほどの清川の流れに再会する。
こちらが、橋のあたりから右方向に見える玄忠寺の寺号標。
清川に沿ってさらに進みと来た方向をパチリ、
行く方向をパチリ。
今はない国際ボウルの前を過ぎる。
現在の清川は名前通り流れが清い。
さらに進むと
家屋の下へ流れ込み。この橋の上から右方向を眺めると
こちらの階段が望める。これも【山田衢々之図】で確認できる。
川筋を追いかけると
天神児童公園の脇を流れ
天神橋をくぐる。
近くの電柱を見ると電柱番号板[山名分5 右2]。
天神橋の先は民家の間を左へ、右へ。ここは追えないので、法住院がある通りへ出ると左折して
こちらで流れを確認した。
水が流れる方向へ進むと
途中に、山名橋の親柱がある。
その先は梅香寺へと続いているようだが、マンションの敷地内なので先へは進めない。
ぐるりとこちらへ回ると
清川は梅香寺の境内を通り抜け
この先で
筋向橋へと向かっている。
百五銀行 筋向橋支店の前に立つ説明板を確認してから
さきほどの流れの先を確認した。
グレーチングの下では
音を立てながら勢いよく流れている。
ここから先は暗渠となり、どこを通っているのか?
【山田衢々之図】を参考にしながら
歩いたが、暗渠サインは見つけられずこちらへ誘導された。
結局は、うらのはし商店街を高柳商店街の方へと進んだ。
高柳商店街へは入らず、今社の北側を確認すると
ここは怪しい場所。ここだけインターロッキングブロックが張られていない。ここは暗渠だ。
県道37号(鳥羽松阪線)へ出ると右方向へ進み、この場所を確認した。
ここは今之社公園と宮町公民館の間。
さきほどの暗渠を経て、こちらへ流れた清川は
ここから県道37号の下へ・・・
さて、この先はどこまで行くのか?
しばらく路面を眺めていたところ。面白いことに気づいた。それはアスファルト舗装にはしご状の亀裂があることだった。こらがまさに暗渠サインだった。
そのはしご状亀裂を追いかけると、手前を流れている清川は
飛木之世古へと通じる曽祢交差点を斜めに横断している。
横断を終えると
反対車線の
左側を進む。
明らかにはしご状亀裂が続く。
このサインは
尼辻交差点へも続く。
その先はしんみち商店街の駐車場の下の暗渠となり、そこには多数の暗橋(暗渠に残された橋)やバス停などが続く。
一之木交差点を過ぎると、こちらでは歩道と暗渠の蓋との段差が大きくなっている。
ここで駐車場が終わると
清川はこの先で
JR参宮線、近鉄山田線をくぐる。
踏切を渡り、流れの先を確認すると
宮後公会堂の向かい側、
こちらへ流れ、ここからは伊勢市駅北口へと続いている(はず)。
この先は暗渠となるため、ルートは不明だが
こんな雨水マンホール蓋は数カ所に。
伊勢市駅北口前にたどり着くと
ここでは、アスファルト舗装にはしご状亀裂を見つけた。
伊勢市駅北口にある駐輪場の下を覗くと、こちらが清川。
さらに先へ進むと
先日に、もうひとつの豊川を追いかける出発点となった豊川と清川との合流地点にたどり着く。
【参考】
- 「道との遭遇」で暗渠ハンターの髙山さんが紹介した暗渠(もうひとつの豊川)の確認ぶらり 2025年10月13日
ここからは勢田川へ向かうのだが、明確なルートは?
ぎゅーとら八間通店の脇を抜け、この先を左へ道なりに進んだ。
マンホール蓋を確認しながら・・・
こちらで、清川は河崎環濠からの流れを集めると聞いた。
勢田川に落ちるのは清浄坊橋の上流側にある
吹上1号樋管。
なんとか清川の流れを追いかけられた。
しかし、ルートが不明な箇所があるので、今後も調査が必要。